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偏差値が高い大学を出ても仕事ができない人がいるのはなぜ?

2015年 11月 11日

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偏差値が高い大学を出ても仕事ができない人がいるのはなぜか?
その答えは、「学力と仕事力は全く別の力だから」です。
当たり前と思われた方がいるかもしれませんので、もう少し掘り下げて考えてみましょう。

◆学力とは何でしょうか?
現在の受験制度に基づく学力は、国語、算数、理科、社会のような各教科の問題を解き、その正答率を算出し偏差値を求めて、ランク付けがされたものです。ここで大切なのは「正答があることが前提」になっているということです。
過去の賢人が発見した、原理、概念、知識といったものを体系化したものが、いわゆる教科です。誰かが築いてきたものを体系的に追体験をする。これが教科型の学習であると思います。つまり、誰かがあらかじめ体系化したので、誰かが見つけた答えがあって、その答えと同じ答えを導き出せるかどうか。これを問うているのがテスト問題で、その問題をいかに正確に解けるかがここでいう学力です。

◆仕事力とは何でしょうか?
売上目標を達成する、利益を上げる仕組みをつくる・管理する、新製品を開発する、人の心を和ませる、病気を治すなど様々な仕事があります。そこで結果を出す力が仕事力です。ここに挙げた例に、「正答」があるでしょうか?
おそらく、どの答えも正答といえば正答、誤答といえば誤答となるのではないでしょうか?
つまり、仕事の世界には「改善の余地がない唯一の答えは存在しない」ということだと思います。
何をするにも与えられた環境(能力、人材、資金、時間、場所等)が様々ですし、それぞれの会社の経営理念や思想によって、目指すべきゴールも違います。

学力が既知のものに対する力である一方、仕事力は未知のものに対する力であると言えると思います。
学力と仕事力は別の力なので、いわゆる学力が高い人が集まる偏差値が高い大学を出ても仕事ができない人がいるのは当然といえます。

仕事力(未知のものに対する力)を掘り下げてみましょう。
1)何が未知かを理解する力
2)未知のものを具体的な問題に置き換える力
3)具体的な問題を解決するための手段を考える力
4)その手段を実行する力
5)実行した結果を振り返る力
6)以上のことを粘り強くやり遂げる力
ここでは6つの力に分類してみました。
いわゆる指示待ち人間は、なんらかの理由によって仕事をやる意欲がないからそうしているのか、1)、2)の力が弱いのだと思います。
1)、2)は既知を前提にしている学力では取り扱うことがありませんので、学習問題を解くことばかりしかしていない人は、そもそも問題を作り出すことができないということかもしれません。
いわゆる偏差値が高い大学を出た人が持ち合わせている力というのは、3)だと思います。
具体的な問題が出題されれば、持ち前の学力によって問題を解いていく、その解法が手段を考えることいえるでしょう。
ただし、3)を持っていない人も多いかもしれません。それは、学力が完全に受験対策用のもので、問題の解き方自体を覚えてしまった人です。このような人は、具体的な問題が提示されたとしても、パターンが違う問題には対処できないと思います。
また、4)が弱い人もいると思います。仮に1)〜3)の力を全て備えていたとしても、いろいろな理由をつけて実行しない。
仕事を他人事として捉え、実行するのは自分の仕事ではないと思っているかもしれません。
仕事力がある人は、4)実行力を必ず備えている人だと思います。なぜならば実行しなければ結果は生まれないからです。

 

ネイチャリングルームでは、様々な体験プログラムを通じて、教科という枠組みにとらわれることなく、正答がないことをやります。

 

1)は好奇心の源泉になるでしょうし、2)は創造力ともいえるでしょう、3)は物事を達成するための段取り力・計画力といったように、賢人が体系化した教科という枠組みにはまらないことによって、1)〜3)を育む機会を設けています。
4)は実行力、5)は振り返りですので、当然行います。
6)は「好きこそものの上手なれ」という言葉があるとおり、子どもが好きであり続けられる、楽しい授業をすることで、多少辛いことがあっても、好きなことだから頑張れるという力を培います。好きなことだから頑張れるという人は、好きじゃないことでも頑張れる場合が多いと思います。スポーツ選手や芸能人がある分野で極めた人が、引退した後に別の分野でも極めてしまうというのがその例かもしれません。

ネイチャリングルームは小学生が対象ですので、将来、強靭な精神力が発達する基礎、つまり好きなことは熱中して頑張れるという姿勢をしっかりと築いてきます。

 

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平成◯年から受験制度が変わるって本当?

2015年 9月 26日

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文部科学省中央教育審議会の答申(平成26年12月22日)によれば、現行の大学入試センター試験を廃止し、平成32年度から「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」を段階的に実施することと述べられています。

平成32年度からということは、現在の中学1年生から新しい受験制度が適用されることになります。

それでは、何がどう変わるのでしょうか?

先の答申のポイントをまとめてみました。

1.「教科型」の試験に加えて、「合教科・科目型」「総合型」の問題が合わせて出題される。

ちなみに、将来的には「合教科・科目型」「総合型」のみとし、教科・科目に必要な「知識・技能」と「思考・判断力・表現力」を総合的に評価されることが目指されています。

2.解答方式が、多肢選択方式だけでなく、記述式も導入される。

3.CBT方式(コンピュータを利用したテスト)の実施を前提とする。

4.英語については、「読む」「聞く」だけでなく「書く」「話す」も含めた英語の能力のバランスをよく評価する。

5.選抜制の高低に関わらず、多くの大学で活用できるように、広範囲の難易度とする。

さらに、多元的な評価尺度として、「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の成績に加え、小論文、面接、集団討論、プレゼンテーション、調査書、活動報告書、大学入学希望理由書、学修計画書、資格・検定試験などの成績、各種大会等での活動や顕著な記録、その他受検者のこれまでの努力を証明する資料などを活用することが考えられています。

それではなぜ受験制度が変更されることになったのでしょうか?

先の答申では次のような課題認識が述べられています。

「我が国が成熟社会を迎え、知識量のみを問う「従来型の学力」や、主体的な思考力を伴わない協調性はますます通用性に乏しくなる中、現状の高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜は、知識の暗記・再生に偏りがちで、思考力・判断力・表現力や、主体性を持って多様な人々と協働する態度など、真の「学力」が十分に育成・評価されていない。」

そこで、今回の受験制度見直しでは、

「選抜性の高い大学の学生については、これまでのように知識・技能やそれらを与えられた課題に当てはめて活用する力に優れていることは必要ではあるが、それらだけでは全く不十分であり、「主体性・多様性・協働性」や「思考力・判断力・表現力」を含む「確かな学力」を高い水準で評価する個別選抜を推進する」

必要があると述べられています。

 

ネイチャリングルーム学童保育では、これらの受験制度改革の動向も踏まえ、体験学習を通じた「合教科・科目型」「総合型」の指導を行っていきます。具体的には、外国人英会話の授業の中に算数の要素を取り入れたり、米国発の環境教育プログラム等を活用して、自然の事象や生き物を通じて、算数・国語・理科・社会といった科目を合教科・科目的、総合的に学習をいたします。

また、ネイチャリングルームの講座は一般のお子様(学童保育在籍者以外)も受講できます。

体験授業を開催中ですので、ネイチャリングルームの体験学習を体験してみませんか?

お申し込みはこちらから。

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よく遊ぶ子は学力が高い?

2015年 9月 3日

「よく遊び、よく学ぶ」という言葉はよく耳にする言葉ですが、よく遊ぶ子は学力が高いのでしょうか?

この疑問について調べてみました。ただし、ここでいう遊びは、実体験が伴う遊びを遊びと呼ぶことにしたいと思います。逆に言えば、手先等しか使わない仮想の世界で遊ぶ遊び、いわゆるゲーム(テレビゲームや端末型ゲーム機)は含みません。

文部科学省中央教育審議会の平成24年度の答申によれば、自然の中で遊んだことや自然観察をしたことがある小学生の方が理科の平均正答率が高いことがわかりました。

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また、独立行政法人国立青少年教育振興機構の平成22年度調査では、子どもの頃の体験と大人になってからの意欲・関心等との関係について、小・中学生時代の体験が豊富な大人ほど、意欲・関心や規範意識が高い人が多いという結果がでています。

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「自然体験を例にとれば、自然と触れ合う中で直接的に学び、理科を中心に学力向上につながることがある。また、自然体験などの豊富な体験が子どもの意欲・関心を増長し、子どもが様々なことに取り組むことよって、間接的にも学力が向上することがある。」というように解釈できるのではないかと思います。

また「なぜ体験学習なの?パート1」で述べた通り、5感を駆使する体験が脳に良い影響を与えている結果かもしれません。

ネイチャリングルーム学童保育では、「よく遊ぶ子は学力が高い」ということを信じて、質の高い遊びができる環境を提供しています。

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