近年、大学入試では総合選抜型入試(旧AO入試)と呼ばれる選抜方式での入学者が増え続けています。
文部科学省調査によれば、令和2年度で既にAO入試と推薦入試が全体の48.8%となり半数近くにまでなっています。
これは、平成25年の教育再生実行会議第四次提言(文部科学省)
『大学入学者選抜を、能力・意欲・適性を多面的・総合的に評価・判定するものに転換するとともに、高等学校教育と大学教育の連携を強力に進める』
に基づき、各大学が入学者選抜改革に取り組んだ結果です。
それでは、総合選抜型入試(旧AO入試)とは何でしょうか。
総合選抜型入試は、単に画一的な筆記試験によって、入学者の合否を決めるという従来の一般入試とは異なり、各種提出書類(内申書、志望理由書、自己推薦書、資格証明書など)、面接、筆記テストなど各大学・学部で定める推薦要件に従って総合的に選抜する方式です。
例えば、
東京大学では、「多様な学生構成の実現と学部教育の更なる活性化を目指し、同学の総合的な教育課程に適応しうる学力を有しつつ、特定の分野や活動に関する卓越した能力や極めて強い関心や学ぶ意欲を持つ志願者を求める」としています。
また、一般選抜の中にも総合的な要素を取り入れる大学も出てきています。例えば、
早稲田大学では、一般選抜のWEB出願時に「主体性」「多様性」「協働性」に関する経験を記入させています。調査書(内申書)に記載するのではなく、受験生本人が自身の経験を振り返り文章化するというものです。なお、入試における合否判定の対象とはしないとされていますが、大学が求める人材像を明らかにしているものと思われます。
つまり、単に学力が高いというだけでは、物足りないので、新たな選抜方法も導入したということでしょう。大学に入学するのが最終目的ではなく、大学入学後も意欲的に研鑽を積み、卒業後に活躍できる人材を求めているということなのかもしれません。
「何かを実現したい!」「将来こうなりたい!」「何でこうなるんだろう!真理を知りたい!」など、単に学歴を獲得したいという動機以外の内発的動機が人が学び続ける、成長し続ける原動力になるのかもしれません。
そうした強い思いを持ち行動し続けてきた子に道を開くのが総合選抜型入試(旧AO入試)なのでしょう。
ネイチャリングルームは、子どもたちが強い思いを持てるきっかけ作りに励んでいます。
ネイチャリングルーム(Naturing Room)の名前には、「子どもたちがあるがままの姿で成長する部屋」という意味があります。
「好きこそものの上手なれ」ということで、興味関心を持ったことに関して、人生を通じて取り組むきっかけになればと思います。