ネイチャリングルーム学童保育では、体験学習を重視しています。
◆体験学習とは?
ネイチャリングルーム学童保育でいう体験学習とは、
「子ども達が主体となって、学習以外の目的がある活動の実践を通じ、五感を使って学ぶこと」
であると定義しています。
多くの場合、小学校との教科を中心にした学習では、「筆算を学びましょう」、「体積を計算しましょう」、「文章題を解きましょう」、「漢字の練習をしましょう」、「文章を読んで感想を書きましょう」「地域のくらしについて調べてみましょう」となり、学習自体が目的となりますが、ここでいう体験学習は、学習以外の目的が必ず存在します。また、ここでいう体験学習では、机の上で鉛筆を持ち、問題を読んでひたすら解くという視覚と脳の刺激を中心にした学習ではなく、五感(全身)を使って学びます。
例えば、「多摩川イカダ下りエコカップに出場し完走しよう!」が目的となります。子ども達は、イカダを作って、イカダに乗って、遊んで、学習します。
(2015年多摩川イカダ下りエコカップに出場!百合ヶ丘駅前教室では2016年出場予定)
◆なぜイカダ作りが学習になるのか?
小学校の学習指導要領では、算数において、小学1年で「足し算」、小学2年で「体積の単位(L、dL等)」、小学3年で「重さの単位(kg,g等)」小学4年で「2桁の割算」、小学5年で「直方体の体積の求め方」、小学6年で「速さ」を学習することが定められています。
当たり前の話かもしれませんが、イカダ作りではこれらの要素を全て体験することができます。
・乗船する人の体重の合計は何kgでしょうか?(小学1年)
・スーパーから発泡スチロールを入手しました。その大きさは何cmでしょうか?(小学1年)
・発泡スチロールと同じ量の水の体積は何Lでしょうか?測定してみましょう。(小学2年)
・発泡スチロールと同じ量の水の重さは何kgでしょうか?測定してみましょう。(小学3年)
・イカダを作るには、何個の発泡スチロールが必要でしょうか?(小学4年)
・発泡スチロールの大きさは、縦40cm、横50cm、高さ30cmでした。その発泡スチロールの体積はいくらでしょうか?(小学5年)
・イカダがスタートしたのは午後1時、ゴールに到着したのは午後1時30分。スタートとゴールの間は900mありました。川の流れは時速何kmでしょうか?(小学6年)
このように、子ども達にとって「イカダを作って沈むことなくゴールに進む」という遊び(学習以外の目的)が、学習につながるのです。これらの遊びの過程を通じて、長さや重さを測ったり、発泡スチロールに触れて重さを体感したり、川のスタート地点とゴール地点を下調べして、900mの長さを体感したりと、重さや長さといった算数的な概念を体感して定着させることができます。(算数的な概念を体感することの大切さについては、またの機会に掲載したいと思います)
ネイチャリングルーム学童保育の指導員は、子ども達が遊びから学ぶということを支援する役割を担います。やみくもに子ども達がイカダを作っても、そこから学び取ることは限られますが、指導員の的確な質問により、単なる遊びを学習指導上の問題に置き換えることで、自発的な学びを引き出すことができます。
遊ぶ環境を用意して、そこから子ども達が自然に学んでいく教育、それがネイチャリングルーム学童保育の体験学習です。
※これらの課題を解決していくためには「あるものが受ける浮力は、そのものが水に沈んでいる部分の体積の水の重さに等しい」という知識が必要になりますが、これは中学の学習内容なので指導員が情報提供をします。ネイチャリングルーム学童保育は、いわゆる学校教育法に定められた学校ではないので、先の学年で学習する内容でも、気にせず必要に応じて、指導できるのも特徴です。